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ヨハネス・フェルメールの「牛乳を注ぐ女」
 フェルメールの「牛乳を注ぐ女」です。5、6年前に来日しています。今回はアムステルダム国立美術館でいつものように展示されている「牛乳を注ぐ女」を鑑賞してみたいと思います。



ヨハネス・フェルメール作 「牛乳を注ぐ女」1658頃/アムステルダム・国立美術館


アムステルダム国立美術館には、レンブラントを始めオランダ絵画の傑作が所せましと展示されています。フェルメールの作品が、マウリッツハイス美術館とならび、名品が4点も所蔵されています。「牛乳を注ぐ女」「小路」「青衣の女」「恋文」です。なかでも「牛乳を注ぐ女」はフェルメールの代表作のひとつとして挙げられています。

「牛乳を注ぐ女」は他の作品に比して、強く印象が残る作品です。オレンジ色と青といった単純な色彩で構成されていること、柔らかい光に満ちた空間が女性を際立たせていること、テーブルの上のパンや食器などがリアルで迫力のある描写がなされていること、そしてなによりも逞しい召使いの女性が牛乳を注ぐ行為に観るものも感情移入してしまうことです。全体にシンプルな表現で当時の働く女性の一瞬の姿を映し出しています。

大きな展示室の中で、「牛乳を注ぐ女」は「青衣の女」の隣に、こじんまりと展示されています。大きさは45.4×40.6cmでフェルメール作品としては決して小さい作品ではありませんが、レンブラントなどの大作を観終わった後では、小ぶりな印象はまぬかれません。しかしひとたび絵の中に意識を集中すると、当時の働く女性がまさに等身大で描かれているような、大きい作品に感じられます。

絵画としてのテーマが、普段着の女性の姿ではあまりにも日常的で、この作品以後はこのようなテーマの作品は見当たりません。敢えて挙げるとすれば、ルーヴル美術館の「レースを編む女」(1669)があります。一心にレースを編む姿が、小さい画面(23.9×20.5cm)にその様子が克明に捉えられています。手紙を読んだり書いたり、楽器を演奏したり、ワインを飲み交わしたりするフェルメール作品が多いなか、いささか趣を異にしています。

印象が強く残る絵画がすなわち傑作というわけではないでしょうが、一般の鑑賞者としては、際立った印象が永く強く記憶に残る作品が、その人にとっての名画といってよいような気がします。この「牛乳を注ぐ女」もそのひとつといっていいでしょう。







ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)は、1632年にオランダのデルフトに生まれています。父親は、絹織物職人で、居酒屋兼宿屋、画商も営んでいたようです。1642年に父親が宿屋の「メーヘレン」を購入し、そこに移り住みます。1653年に20歳で結婚、同時にプロテスタントからカソリックに改宗。画家のギルドである聖ルカ組合に加入し、画家として活動しています。翌年には、長女が生まれ、生涯に14人の子どもに恵まれたようです。1662年と1670年に、聖ルカ組合の理事に選出され、画家として評価されていたことをうかがわせます。風俗画家として活躍しますが、寓意画、歴史画、神話画、風景画など幅広く手がけました。1675年に、生活困窮のなかデルフトにて死去します。享年43歳でした













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