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ロココ美術の寵児フラゴナール

オノレ・フラゴナール作 「ぶらんこ」1767/ロンドン・ウォーレス・コレクション


フラゴナールの代表作であり、軽妙で風雅そしてエロチックなロココ美術の代表的な傑作のひとつとして知られている作品です。

原題は「ぶらんこ幸福なる偶然」といいます。

若い女性がブランコ遊びをしているのを、絵の注文主である男爵がスカートの中をのぞきみています。

木陰でブランコを揺らしているのは、彼女の中年の夫とも司教とも言われています。

道徳や宗教の規律から解き放たれた、当時の貴族階級たちの自由な恋愛観が上品に優雅にまとめられています。

この絵は評判を呼び版画で複製されて数多く出回ったそうです。






オノレ・フラゴナール作 「霊感」1769/パリ・ルーヴル美術館


詩人あるいは作曲家が背後の何者かの霊感にうたれて、ふっと振り向く様を描いたのでしょうか、勢いのある大胆な筆致で表現されています。

ロココ的な「ぶらんこ」と異なり、ここでは霊感といった視覚的には表現の難しいテーマに取り組んでいます。

貴族からの注文で描かれた肖像画にはみられない、画家としての創造意欲を感じます。






オノレ・フラゴナール作 「読書する少女」1770-72/ワシントン・ナショナルギャラリー


多くの人に愛されている名画のひとつです。この絵の印刷物をよく見かけたことがあるのではないですか。

読書する美しい良家の少女という設定がいかにも清教徒的、あるいは教育的なところがアメリカでの人気の理由でしょう。

絵全体は粗い筆致で人物、衣服、書物そしてクッションを柔らかい光で浮かび上がらせています。色遣いも暖色系中心で日差しの温かさを感じさせます。

これも前作と同じく肖像画ではなく、夢中になって読書する少女の心の状態をも作者は表現しようとしたものではないかと思われます。

印象派の画家の作品といわれても信じてしまいそうな画題であり、光の表現であり、筆のタッチです。

そのような近代性もこの絵の人気の秘密なのかもしれません。







オノレ・フラゴナール作 「かんぬき(閂)」1778頃/パリ・ルーヴル美術館


まるで恋愛ドラマの一場面を絵画に仕上げたような作品です。フラゴナール晩年の傑作といわれています。

画題は絵を発注したさる貴族によるもので、決して普遍的なテーマではなく、恋愛の秘め事の瞬間にあります。

とはいえ一瞬の場面を描いていながら前後の状況を明らかにさせ、迫真に満ちた画面を描き切ったフラゴナールの想像力と描写力には感嘆するばかりです。

この絵からおよそ十年を経て、フランス革命が起こります。

ロココ絵画に代わり、新古典主義絵画が勢いを増してきます。

晩年のフラゴナールはルーヴル宮の一室をアトリエ兼住居にしていたそうですが、誰からも忘れられた存在だったようです。








《フラゴナールの生涯》
1732年南仏グラッスで革手袋製造業を営むイタリア系家庭に生まれる。
1738年一家とともにパリへ移住する。
パリでシャルダンついでブーシェに師事する。
1752年20歳のときローマ賞を受賞する
以後イタリア(ローマ)に留学する。
1767年頃代表作「ぶらんこ」を制作する。
1773年パトロンとともにドイツ・イタリアを旅する。
1789年からフランス革命が始まり、ロココ美術が衰退し、不遇の時代を送る。
1806年パリで死去。(享年74歳)
カテゴリ:ロココ | 02:28 | comments(0) | -
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